ベトナムは南北に細長い国であり、北部・中部・南部によって歴史的背景、経済環境、文化が異なります。これにより、特定の国に対する感情にも地域ごとの違いが見られます。本記事では、ベトナムの各地域における「好きな国・嫌いな国」について詳しく解説します。
ベトナム全体で好かれる国・嫌われる国(共通点)
まず、ベトナム全体として、以下のような国に対する一般的な傾向があります。
共通して好かれる国
日本
好感度の理由
- 経済的なつながり:日本はベトナムの主要な投資国であり、多くの日本企業が進出しています。
- 技術支援:日本はODA(政府開発援助)を通じてインフラ整備や技術支援を行っており、ベトナムの発展に貢献しています。
- 文化的な親しみ:アニメや漫画、日本食(寿司、ラーメンなど)はベトナムで非常に人気があります。
- 労働機会:技能実習制度を利用して日本で働くベトナム人が多く、高収入を得られる点も魅力です。
ネガティブな側面
- 技能実習生の労働環境の問題がニュースになることもあり、一部で不満の声もあります。
- 日本の生活ルールが厳しく、適応に苦労する人もいます。
韓国
好感度の理由
- 韓流ブーム:K-POP、韓国ドラマ、ファッション、化粧品などが若者を中心に大人気。
- 雇用のチャンス:韓国企業もベトナムに多数進出しており、就職の機会が多い。
- 歴史的な友好関係:両国は貿易や観光でも強い結びつきを持っています。
ネガティブな側面
- 一部の韓国企業で労働環境が厳しいという声も。
- 韓国人観光客のマナーについて、賛否が分かれることがある。
アメリカ
好感度の理由
- 経済的な魅力:アメリカはベトナムの最大の輸出相手国であり、貿易関係が強い。
- 留学・移住先としての人気:ベトナム系アメリカ人も多く、アメリカで成功するベトナム人が増えている。
- ポップカルチャーの影響:ハリウッド映画やアメリカの音楽はベトナムの若者に人気。
ネガティブな側面
- ベトナム戦争の影響から、年配の人の中にはアメリカに複雑な感情を持つ人もいる。
- ビザ取得が難しく、留学や移住にハードルがある。
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共通して嫌われる国
中国
嫌われる理由
- 歴史的な対立:過去に戦争や領土問題(南シナ海問題)を抱えており、政治的な緊張が続いている。
- 文化的な違い:一部の中国人観光客のマナーに不満を持つ人がいる。
- 経済的な不信感:中国製品の品質や、中国企業の影響力に警戒する声がある。
ポジティブな側面
- 貿易相手としては非常に重要で、中国製品が日常生活に浸透している。
- 中国の観光地(上海、北京、広州など)は一部のベトナム人に人気。
フランス
嫌われる理由
- 植民地時代の影響:フランスによる植民地支配の歴史を持ち、一部の年配者はフランスに対して反感を持っている。
- 高慢な態度と感じることも:フランス人の態度を「冷たい」と感じるベトナム人もいる。
ポジティブな側面
- フランスの文化(ファッション、料理、美術など)には憧れを抱く人も多い。
- フランスへの移民・留学の歴史があり、フランス系ベトナム人も多い。
これらの国への感情は、ベトナム国内のどの地域でも比較的一貫していますが、北部・南部・中部で微妙な違いが見られます。
地域による違い
北部(ハノイ・ハイフォンなど)
好きな国の傾向
✅ 中国への感情は比較的中立的
- 地理的に近いため、中国との経済的な結びつきが強い。
- 中国文化の影響が残るため、日常的な交流も多い。
- ただし、南シナ海問題に関しては強い反発がある。
✅ ロシアに好意的
- 旧ソ連時代に軍事・経済支援を受けた歴史があり、年配者ほど親ロシアの傾向がある。
- 現在もロシアと軍事的・エネルギー分野で協力関係がある。
✅ フランスへの感情も比較的穏やか
- ハノイはフランス統治時代の建築が多く、フランス文化が根付いている。
- フランス語を学ぶ人も一定数おり、教育・文化面では良いイメージを持つ人がいる。
嫌いな国の傾向
❌ アメリカへの複雑な感情
- ベトナム戦争の影響があり、年配層ではアメリカに対する敵対意識が残る。
- 若い世代はアメリカを肯定的に見るが、年配層の間では警戒心が強い。
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南部(ホーチミン・カントーなど)
好きな国の傾向
✅ アメリカへの好感度が高い
- ベトナム戦争でアメリカ側についていた南ベトナム政権があったため、アメリカに対する親しみを持つ人が多い。
- 戦後、多くの南部出身者がアメリカに移住し、現在もアメリカに親族がいる家庭が多い。
- アメリカ経済や自由な雰囲気を好む人が多く、アメリカのポップカルチャーも人気。
✅ 中国への反発が北部よりも強い
- 中国との国境がないため、北部のような「地理的なつながり」が少なく、歴史的な対立が色濃く残る。
- 中国企業の進出に対しても警戒心を持つ人が多い。
✅ 日本への好感度が全国でも特に高い
- ホーチミンは日本企業の進出が活発で、日本人駐在員も多い。
- 日本食レストランや日本文化に親しむ機会が多く、日本語学習者も多い。
嫌いな国の傾向
❌ ロシアへの関心が低い
- 北部ほどロシアとのつながりがなく、特に若者にはロシアの影響力が薄い。
- 「ロシアは北部向けの国」というイメージがある。
中部(ダナン・フエなど)
好きな国の傾向
✅ 日本への好感度が特に高い
- ダナンには日本企業の工場やIT企業が多く、日本との経済関係が深い。
- 日本のODA支援を受けたインフラ整備(橋や道路など)が進んでおり、日本に対する評価が高い。
✅ 韓国への好感度も高い
- ダナンは韓国人観光客が多く、韓国系の企業やレストランが多い。
- 韓国ドラマ・K-POPの影響もあり、韓国文化が受け入れられている。
嫌いな国の傾向
❌ 中国への反発がやや強い
- 南シナ海問題が直接影響する地域のため、漁業関係者を中心に中国に対する不満が強い。
- ただし、観光業では中国人観光客が多いため、ビジネス面では関係が深い。
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まとめ
地域 | 好かれる国 | 嫌われる国 |
---|---|---|
北部 | 日本、ロシア、中国(やや中立) | アメリカ(年配層)、中国(南シナ海問題) |
南部 | アメリカ、日本、韓国 | 中国、ロシア |
中部 | 日本、韓国 | 中国(南シナ海問題の影響) |
結論として、
- 北部は中国・ロシアとの関係が比較的深く、アメリカに対する複雑な感情がある。
- 南部はアメリカ寄りの傾向が強く、中国への反発が強い。
- 中部は日本・韓国への好感度が特に高いが、中国に対する懸念も強い。
ベトナム国内でも地域ごとに歴史的背景や経済関係が異なるため、外国に対する感情にも違いが見られます。あなたのまわりの方はいかがでしょう?
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